『因果律なんて言葉分からない』
ふと過去への郷愁にかられる。
時間は常に未来方向にしか進まないわけだが人心は時に過去へと思いを馳せる。
ある人はこう言う。
「人間は未来を生きる生き物だ。くよくよと過去を思う暇があったら未来に何をすべきかを考えろ」と。
今、ひょんなことから高校時代に自分が作ったノートを眺めている。
また別の人はこう言うかもしれない。
「過去を振り返ることは悪くない。その頃の未来への渇望を思い出せるかもしれないから」と。
高三の春、夕方の教室で外を眺めながら友人と話していた日を思い出す。
そこへ来た教師が「なんか、青春だな」と言った。
一昨日の夜、誰一人として俺たちの知る人がいない東京の片隅でその友人と飯を食う。
あの夕方は青春だった、と思えた。
けれどこの夜もまた青春と呼べる日が来るのだろうか。
未来は過去と切り離して作られていくものでなければ過去に依って作られていくものでもない。
今を、未来を頑張れば。今を、未来を楽しいものにすることができたら。
その時はじめて過去が美しいものに変わる。
あの春の夕方は思い返せば自習の後だった。
大学に受かったから、その友人と大学生として語り合えるから、
だからあの日は美化されうるのかもしれない。
無駄な思考をしてみた。
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